機能性低血糖

機能性低血糖は、うつや、パニック障害などの精神疾患とまちがわれることがあります。正しく診断することがとてもたいせつです。

 

症状 

 
膵臓からインスリンが必要以上に多量に分泌され、急激に血糖が低下している状態や、低血糖を起こしている状態です。低血糖では脳がうまく働くことができなくなり、次のようないろいろな症状が出てきます。

「疲労感、頭痛、眠気、めまい、ふらつき、動悸、冷や汗、イライラ、失神感、視界がぼやける、聴覚過敏、甘いものに対する欲求、物忘れ、思考力の低下、落ち込み、恐怖感、怒りっぽい」など

 以上のような症状が、低血糖とともに突然やってきますが、食事などで血糖が上がると症状が軽減するのが特徴です。

 

診断 

 

糖負荷試験(甘いソーダ水を飲み、その後、一定時間ごとに数回採血をします)で診断をすることができます。トマト内科では糖負荷試験を行い、当日診断結果をお知らせします。

 

糖負荷試験は前日21時以後、水以外は口にしないでご来院いただき9:00頃から始める検査です。

 

機能性低血糖では精神疾患と同じような症状が出てくるため、あやまって心療内科や精神科に通院し、症状がよくなっていない方が、いらっしゃいます。正しく機能性低血糖を診断することがたいせつです。

 

治療 

 

 機能性低血糖は、血糖を急に上げるような食事をしたときインスリンが必要以上に分泌されることが原因の一つとなります。

 

血糖を急に上げる原因となる糖質をゆっくり吸収するようにしましょう。

・時間をかけてゆっくり食べる

・野菜→肉魚→糖質の順に食べる

・低GI食

などが効果的です。

また当院ローカーボカフェでは糖質の少ないメニューを用意しています。

 

糖質中心の食事を避けましょう。タンパク質や脂質は、ゆっくり血糖をあげてくれます。糖質とともに適度に摂取するようにしましょう。

 

ふだんから糖質中心の食事をされている方は、栄養にかたよりがあり、鉄不足による「かくれ貧血」になっていることがあります(潜在性鉄欠乏症)。「かくれ貧血」でも精神症状を発症することがあります。ご希望をうかがい、「フェリチン」などの貧血の検査を行っていきます。

 

機能性低血糖の方はほとんどの方が痩せていらっしゃいます。逆に2型糖尿病の方の多くの方が太っていらっしゃいます。機能性低血糖の方は、適度に太っていただくことで血糖が下がりにくい体質になると考えられます。