· 

インスリン注射とトラブル、その対策

 「イーライリリー」インスリントラブルとその対策についての院内勉強会がありました。

 

イーライリリーでインスリン自己注射を行っている1型、2型糖尿病患者さん465名を対象に自己注射操作について調査したところ、61.5%の方にミスがありました。

ミスの種類で多いものとして

①インスリン注入後、抜針前に注入ボタンを離してしまう

②抜針までの「カウント」のミス

③つけなおす必要がない「針キャップ」をつけようとして針刺ししてしまう

④「空打ち」を忘れてしまう、

ということでした。

 

トマト内科でも日頃インスリン注射指導をしていますが、上記4つについては患者さんへ重要ポイントとして、繰り返しご説明し,

全員がミスなく注射できることをめざしています。またインスリン自己注射の成功はインスリン製剤の有効性+インスリン注入器の精度×患者さんの適正な実践力×患者さんの意欲、継続で決まると言われます。この点でもトマト内科では繰り返しお話をさせていただき、意欲の維持を図っています。

 

インスリン注射手技のミスがある人は、血糖コントロールが悪いという報告もでています。したがって、ミスなく注射していただけることが、血糖コントロールの上ではとても重要なことになります。

 

トマト内科で、インスリン導入される方にインスリンを正しくミスなく注射して頂くために、パンフレット、デモ用インスリン、練習用パッドを使用します。そして患者さんが自宅に帰っても同じようにできるように、自信がつくまで何度も練習をしていただきます。また可能な方には1週間後に再度来院して頂き、正確に使用できているか、もう一度おさらいをしていただき、ミスをなくしていきます。また、当院へ転院された患者さんには以前の病院でどのように指導を受けられたかを確認し、改めて正確なインスリンの打ち方をご説明しています。

 

トマト内科では効果、利便性、経済性も考えインスリン製剤などを選択しています。イーライリリーのインスリン製剤は他社に比べ安価、手の平サイズで持ちやすい、などがポイントとなります。

トマト内科では、インスリンの注射針は現在使用可能なもので一番細いものも、お使いいただけます。細い針では手の震えが大きい方などは、針が曲がる可能性がありますから、ご相談ください。また細くても折れてしまうことはありませんのでご安心ください。

また、自己血糖測定の穿刺針は、繰り返し穿刺ができるものを採用しています。一度失敗しても、針を交換せずに再度深さを調整して穿刺していただくことができます。

 

インスリン注射には抵抗がある方が多く、治療開始が遅れてしまいがちです。できればご自身の内因性インスリンがある程度残されている、早めのうちにインスリン注射を開始した方が少ないインスリン量で血糖値をコントロールできるようになります。また、少ないインスリンは、低血糖になる可能性を減らし、合併症を防ぐことにも繋がります。

 

誤解されていることが多いのですが、インスリン注射の針は通常の採血の針と比べてかなり細く、ほとんど痛みは感じませんのでご安心ください。

 

今後もインスリン療法について正しい知識、正しい使用方法トラブルの対応方法を知って頂けるよう、ご説明していきたいと思います。インスリン療法、インスリンを使用していてご不明点があればお気軽にスタッフにお聞きください。

 

看護師   赤石澤