EPAネットフォーラム「Residual riskを考慮した最新治療戦略~新たな危険因子EPA/AA比の活用~」についてのweb勉強会に参加しました。勉強会ではEPAがもらたらす健康効果や研究について話しがありました。
EPA(エイコサペンタエン酸)は青魚などに多く含まれており、血液中のコレステロールや中性脂肪を低下させ炎症や血栓を防ぎます。
食物油や動物性脂肪に多いリノール酸は、体の中でアラキドン酸(AA)に変化します。アラキドン酸は炎症や血栓を起こし動脈硬化を促進するとされています。私達現代人の食生活は、リノール酸を多く摂取しがちでその結果AAが過剰になりがちです。
EPA/AA比とは、EPAとアラキドン酸(AA)の比率です。血液中のEPAが多く、AAが少ない(EPA/AA比が高い)状態では心筋梗塞が起きにくくなるそうです。
イングランドやアメリカ合衆国のEPA/AAは0.1強、南イタリアは0.3程度、日本は0.5~0.6程度と言われています。日本人の心筋梗塞の発症率は、イングランドやアメリカ合衆国に比べて低い事が知られていますが、EPA/AA比の影響が大きいのではないかと言われています。
EPA/AA比の目標値は明らかではありませんが、最低でも0.4以上が望ましいようです。
トマト内科では血液検査でEPA/AA比を測定することができます。検査代金は健康保険適応疾患がある3割負担の方では、1350円(診察費などは含みません)です。外部検査へ提出するため約1週間前後で結果をお伝えします。青魚を積極的に食べていらっしゃる方、逆に足りないなと感じていいらっしゃる方などはいちどご自身のEPA/AA比を検査してみてはいかがでしょうか。
EPAの有効性を示した日本の研究では、高純度EPAを1日1800㎎内服することが必要とされているそうです。食品からこれを摂取するのはなかなか難しいのではないでしょうか。
EPAが多く含まれている製剤の1つがエパデール®という薬剤です。エパデール®の原料はイワシです。イワシの油から様々な工程を経て精密に高純度EPAを精製し製剤化しています。1日2~3回の内服で1日1800㎎のEPAを摂取することができます。
EPA/AA比を検査してみたい方、EPA製剤をご希望の方スタッフまでご相談ください。
看護師 赤石澤