「貧血」を調べる一般の検査は ヘモグロビン(Hb)の数値を確認します。ヘモグロビン(Hb)が低い時「貧血」と診断されます。
ヘモグロビン(Hb)が正常で「貧血」と診断されないのに、「疲れやすい」などの、上の表のような症状がある方は
「かくれ貧血(潜在性鉄欠乏症)」の可能性があります。
「かくれ貧血」は、肝臓や骨髄などに蓄えられている「貯蔵鉄(フェリチン)」が不足している状態です。「かくれ貧血」は頭痛、肩こり、不眠、慢性疲労などの身体症状だけでなく、うつ症状などの原因にもなります。
「かくれ貧血」を調べるには、一般採血では行わない「フェリチン」の数値を確認します。「フェリチン」は最低でも40ng/ml以上、できれば80ng/ml程度以上が望ましいとされています。女性は、生理により失われる鉄分が多く、「フェリチン」が10ng/ml以下の方もめずらしくありません。「フェリチン」が低い時は、鉄剤の内服などで鉄分を補充していただき、症状改善につなげます。トマト内科にも隠れ貧血のスタッフがいました。鉄剤の内服で見違えるように元気になっています。
一般採血で行うヘモグロビン(Hb)ではなく、 「フェリチン」を確認しないと「かくれ貧血」はわからないため、「かくれ貧血」を治療されずにずに放置されている方がたくさんいらっしゃいます。
また、同じような症状は甲状腺疾患でもあらわれます。このため甲状腺の病気ではないか、と心配して受診される方のなかの多くに「かくれ貧血」の方がいらっしゃいます。
つらい、心配な症状でご来院いただいた方を、少しでも早く症状緩和につなげたいとの思いで、トマト内科では、「フェリチン」の院内迅速検査を導入しました。「フェリチン」の数値が、採血後40分程度でわかるようになりました。
トマト内科では「疲れやすい」に関する院内迅速検査が充実しています。「甲状腺ホルモン」、「副腎ホルモン」、「下垂体ホルモン」そして「フェリチン」。どれも、不足すると疲れやすさにつながるものですが、採血後40分程度で結果を出し、みなさまにお伝えする体制を取っています。
妊娠前や不妊治療中の方で、甲状腺のチエックを希望され、トマト内科を受診いただく方が増えています。妊娠には、フェリチンの数値は60ng/ml以上が望ましいとされています。トマト内科では「甲状腺ホルモン」「甲状腺自己抗体」とあわせて「フェリチン」を迅速検査でお知らせすることができます。
そして一般採血で貧血と診断されるものに、鉄欠乏性貧血、腎性貧血などがあります。こうした疾患の治療にも鉄の充足度を知るために「フェリチン」は重要な指標です。
院長 増渕