そろそろインフルエンザ流行時期となり、地域によっては学級閉鎖になっている所もあります。
今回は、久々の新らしいインフルエンザ治療薬、ゾフルーザについての勉強会に参加しました。
インフルエンザで重症化しやすい方は、次のような方とされています。
高齢者
幼児
妊娠中の女性
持病のある方
・喘息のある人
・慢性呼吸器疾患(COPD)
・慢性心疾患のある人
・糖尿病など代謝性疾患のある人 など
トマト内科に通院くださっているような方に重症化しやすい傾向があります。
しっかり予防と、早期治療開始が大切です。
インフルエンザワクチン注射は一定の予防効果が期待できます。
ワクチン予約をしても、当日の体調が悪かったり、急な予定が入ったりなどで、注射できないことが多いのではないでしょうか。
トマト内科では、予約なしでご来院いただいても、インフルエンザワクチン注射を行っています。体調の良い時にご来院ください。
流行時期には、手洗いと、マスクが重要です。
インフルエンザにかかってしまったときは、なるべく早く抗インフルエンザ薬を使うことが重要です。
インフルエンザウイルスは、体内で急激に増殖をしますが、現時点では増殖したウイルスを殺すお薬は市販されていません。
増殖する前に早期に抗インフルエンザ薬を使うのが効果的です。
今年3月に発売された、抗インフルエンザ薬ゾフルーザも、従来のお薬と同じく発症後48時間以内の使用が効果的です。
従来のタミフルやイナビルは感染細胞内で増殖したウイルスが感染細胞外に飛び出ることを阻害し、他の細胞への感染を防ぎます。
これに対して、ゾフルーザは、従来のお薬と全く異なる、感染細胞内でのウイルスの増殖そのものを抑える仕組みとなっています。
またゾフルーザは体内にとどまる時間が長いため、世界で初めて1回飲むだけで効果が期待できるうれしいお薬です。
熱が下がるまでの期間はタミフル同様、1~2日間を要しますが、効き目が強いため、服用後の周囲への感染のリスクも減少したと報告されています。
価格は10mgで1錠約1500円、20mgで1錠約2400円。年齢と体重によって用量が変わります。
成人で80㎏未満の方では1回の薬価は約4800円です。
新薬のため、既存薬ののタミフル(5日分で2720円、ジェネリックでは1360円)などと比べると割高です。
他剤の吸入の煩雑さや、複数回内服に比べ、1回内服のゾフルーザには、利便性、確実性があるように思います。
また新薬というと副作用が気になると思いますが、塩野義製薬さんによれば、下痢の症状が出る人が約1%、肝機能異常約0.9%でほかにはとくに副作用は報告されていないようです。若年の方の異常行動に対する注意が必要なことは、従来の抗インフルエンザ薬と変わりません。
トマト内科では、インフルエンザの疑いのある方にはインフルエンザ迅速診断キットを使用し検査し、診断に役立てます。
インフルエンザ陽性と診断されたときには、今回ご紹介したゾフルーザを処方することも可能です。医師、スタッフにご相談ください。
看護師 赤石澤