血清カリウム抑制剤であるカリメートについて、院内勉強会がありました。
糖尿病や、高血圧では腎機能が低下し、血中のカリウムを尿に排泄しきれなくなることがあります。血中のカリウムが高くなると、不整脈や、心停止の原因になるため、トマト内科では迅速検査でカリウムをチエックお知らせしています。血中のカリウムの数値が高値のときは緊急透析が適応になります。軽度上昇の時はカリメートなどの内服治療になります。
カリメートには、「散剤」「ドライシロップ」「経口液」の3タイプがあります。
・「散剤」は、初期に開発されたもので、添加物を含まず経口投与だけでなく注腸投与も承認されています。
・「ドライシロップ」は、懸濁時に沈殿し難く、服用時のザラつき感を軽減しています。携帯に便利なスティック包装です。
・「経口液」は、最も最近開発されたもので、水に懸濁することなくそのまま服用可能、という手軽さがあります。嗜好に合わせ、ノンフレーバー(無香料)、オレンジフレーバー、そして新たに今年発売になったアップルフレーバーが選択可能です。携帯に便利なスティック包装です。
以下は、カリメートの作用機序です。
ポリスチレンスルホン酸カルシウム(カルシウム型レジン)は、消化・吸収されることなく、腸管内、特に結腸付近でカリメート中のカルシウムイオンと腸管内のカリウムイオンが交換され、レジンとして何ら変化を受けることなくそのまま糞便中に排泄されます。その結果、腸管内のカリウムは体外へ除去され、血中カリウム値が低下します。
透析患者を対象に行ったカリメート散とナトリウム型レジンの比較試験から、血清カリウム抑制効果は同程度でしたが、ナトリウム型にはカリウム以外の電解質への影響があるのに対し、カリメート散には影響がないことが分かっています。
気になる副作用ですが、代表的なものとして便秘、食欲低下、悪心が挙げられます。特に便秘に関しては、症状が出た場合は服用中止としています。症状が出た場合は、問診または診察にて必ずお伝えください。
血清カリウムの上昇は、腎機能が悪化している場合に多く見られます。
食事におけるカリウム制限で正常値にできる場合もありますので、当院の場合、まずは食生活について聞き取りをし、カリウム制限の方法を説明します。実際に当院に通院されている患者さんの中には、他院でカリメートを処方されていましたが、当院の栄養相談にてカリウム制限の方法を習得し、服用することなくカリウムを正常に管理できている方がいらっしゃいます。ですが、それでも値が下がらない場合は、カリメートのような薬の服用が重要になります。
「カリメート散」は、その飲み辛さから服用における満足度が高いものではありませんでした。しかし、満足度を高めるために、水・スプーン・コップ不要でフレーバーも選択できる「カリメート経口液」が開発された、という企業努力があります。
今回の勉強会では、スタッフが「カリメート経口液」の試飲を行いました。「思っていたよりは飲みやすい!」という感想が聞かれました。薬なので全てのものを試しに服用することは出来ませんが、今後も可能な限りスタッフも体験したいと考えています。そういった意味でも、今回の勉強会は大変有意義なものでした。服用する上で、飲みやすいかどうかは重要ですよね。気になる方は、問診にてスタッフにお尋ねください。リアルな感想が聞けますよ!
管理栄養士 大西